【2024年版】日本ダービーでのテン乗り&乗り替わり成績
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乗り替わりは鬼門と言われている日本ダービー史

毎年のように注目を浴びる日本ダービーでの騎手乗り替わり成績

長らく乗り替わりの馬は勝てないと言われ続けてきたが、2021年の日本ダービーを福永祐一に乗り替わったシャフリヤールが1985年のシリウスシンボリ以来36年ぶりに制し、2023年のタスティエーラ(D.レーン)は1954年のゴールデンウエーブ以来69年ぶりのテン乗りでのダービー戴冠。2020年代に入って一気に潮目が変わってきた感。

元々昔より圧倒的に騎手のスイッチが多くなっている現代競馬シーンなので、長き沈黙を破って乗り替わりの馬がダービーを勝つのも時間の問題だった面はある。

ダービーでの騎手乗り替わり成績がどんなものなのか、2000年(アグネスフライト)から2023年(タスティエーラ)までのデータを調べてみた。


2000年以降のダービー乗り替わり成績

2000年以降の成績を見ると乗り替わり馬の成績は言われているイメージほど悪くない。


★日本ダービー継続騎乗時成績
出走回数1着2着3着4着以下
285221717229


★日本ダービー乗り替わり時成績
出走回数1着2着3着4着以下
144277128


★両者の比較
種別勝率連対率複勝率
継続7.7%13.6%19.6%
乗替1.3%6.2%11.1%

当然ながら良い馬は騎手が手放さないので継続騎乗の方が数字は高くなる。

そう考えると乗り替わり時の複勝率11.1%というのはそこまで悪くない数字。

平均人気でも当然ながら継続騎乗の馬の方が高く人気3つほど違う。

ダービーで乗り替わりの馬が勝ちにくいのは、勝てるような馬は前任の騎手が手放さないからという単純な話に帰結する気がしますね。


★単複回収率
種別単回値複回値
継続騎乗75.8円60.5円
乗替わり13.8円76.1円
内初騎乗7.6円89.3円

そして単純な馬券回収率だけで見るとテン乗り馬の複勝回収率が一番高くなっているという謎現象。

継続騎乗馬は頭数が多く人気馬も多い。回収率を出すにはベタ買いするので、当然ながら数字は低く出てしまう。

ただ「ダービーでは乗り替わり成績が良くない」という話が広まりすぎているので、馬の実力以上に嫌われている可能性(=馬券的旨味)はある。


2000年以降に乗り替わりでダービーを勝った馬

2021年:シャフリヤール(4番人気)
川田将雅➡福永祐一

乗り替わり理由:シャフリヤールは毎日杯時点で全2戦の手綱を福永が執っていた馬で日本ダービーは出戻り騎乗。結果が出た後となっては毎日杯でシャフリヤールに乗らずにルペルカーリア(4着)を選んだ方が謎乗り替わり。

ちなみに毎日杯でシャフリヤールに騎乗して勝利した川田はヨーホーレイクに騎乗して6番人気の7着。


2023年:タスティエーラ(4番人気)
松山弘平➡D.レーン

乗り替わり理由:外国人騎手が大好きな堀厩舎の勝負手。レーン騎手はダービー鬼門の初騎乗馬だったが、見事に皐月賞2着馬を優勝に導いて期待に応えた。


2000年以降に乗り替わりでダービー2着に来た馬

2001年:ダンツフレーム(3番人気)
藤田伸二➡河内洋
乗り替わり理由:今となっては不明。当時20代の藤田伸二から前年ダービー初制覇のベテランに勝負懸かりのスイッチ!?

2002年:シンボリクリスエス(3番人気)
武豊➡岡部幸雄
乗り替わり理由:武豊がタニノギムレット(1着)を選んだ為

2004年:ハーツクライ(5番人気)
安藤勝己➡横山典弘
乗り替わり理由:安藤勝己がキングカメハメハ(1着)を選んだ為

2006年:アドマイヤメイン(4番人気)
武豊➡柴田善臣
乗り替わり理由:武豊がアドマイヤムーン(7着)を選んだ為

2007年:アサクサキングス(14番人気)
武幸四郎➡福永祐一
乗り替わり理由:武幸四郎がヒラボクロイヤル(16着)を選んだ為

2010年:ローズキングダム(5番人気)
小牧太➡後藤浩輝
乗り替わり理由:ダービーの1週間前に小牧が騎乗停止になった為

2015年:サトノラーゼン(5番人気)
川田将雅➡岩田康誠
乗り替わり理由:川田がレーヴミストラル(9着)を選んだ為


2000年以降に乗り替わりでダービー3着に来た馬

2002年:マチカネアカツキ(6番人気)
岡部幸雄➡K.デザーモ
乗り替わり理由:岡部がシンボリクリスエス(2着)に騎乗した為

2006年:ドリームパスポート(7番人気)
高田潤➡四位洋文
乗り替わり理由:鞍上強化

2007年:アドマイヤオーラ(4番人気)
武豊➡岩田康誠
乗り替わり理由:アドマイヤオーラが皐月賞で3着だった後に行われた香港のクイーンエリザベス2世Cでアドマイヤムーンが武豊騎乗で3着。この一連の騎乗に納得がいかなかった近藤利一オーナーと武豊が仲違いした為

2008年:ブラックシェル(6番人気)
後藤浩輝➡武豊
乗り替わり理由:元々の主戦。前走のNHKマイルCではファリダットに騎乗したがダービーでは再度手綱を執ることになった。

2011年:ベルシャザール(8番人気)
安藤勝己➡後藤浩輝
乗り替わり理由:安藤勝己がウインバリアシオン(2着)に騎乗した為

2014年:マイネルフロスト(12番人気)
柴田大知➡松岡正海
乗り替わり理由:柴田大知がウインフルブルーム(出走取消)を選んだ為

2018年:コズミックフォース(16番人気)
C.ルメール➡石橋脩
乗り替わり理由:ルメールがステルヴィオ(9着)に騎乗した為

日本ダービーでの騎手テン乗り成績

2000年以降で108例の乗り替わりが初騎乗だった。
出走回数1着2着3着4着以下
10815597

★テン乗りでダービー1着
2023年タスティエーラ(レーン)

★テン乗りでダービー2着
2015年サトノラーゼン(岩田康)
2010年ローズキングダム(後藤)
2007年アサクサキングス(福永)
2006年アドマイヤメイン(柴田善)
2004年ハーツクライ(横山典)

★テン乗りでダービー3着
2018年コズミックフォース(石橋脩)
2014年マイネルフロスト(松岡)
2011年ベルシャザール(後藤)
2006年ドリームパスポート(四位)
2002年マチカネアカツキ(デザーモ)

1着は1頭だけでも、2、3着で10例もあれば馬券から過剰に嫌う必要はなさそう。

とはいえ昔より乗り替わりが当たり前になった現代競馬でも、近5年で騎手が初騎乗で馬券内に入ったのはタスティエーラしかいないという事実もある。

最後に2頭の取捨選択で迷ったとかであれば、騎乗したことがあるジョッキーが乗っている馬を取った方が分が良いのは間違いない。


乗り替わりで3番人気以内に支持された馬

2000年以降の日本ダービーで鬼門と言われている乗り替わりにも関わらず3番人気以上の強い支持を受けた馬は7頭いる。

★が付いている馬は初騎乗。

2023年:ファントムシーフ
★武豊 3番人気 8着

2021年:グレートマジシャン
★戸崎圭太 3番人気 4着

2019年:サートゥルナーリア
★D.レーン 1番人気 4着

2013年:ロゴタイプ
C.デムーロ 3番人気 5着

2011年:デボネア
★L.デットーリ 3番人気 12着

2009年:セイウンワンダー
★福永祐一 3番人気 13着

2002年:ノーリーズン
★蛯名正義 2番人気 8着

2002年:シンボリクリスエス
岡部幸雄 3番人気 2着

2001年:ダンツフレーム
河内洋 3番人気 2着

上位人気に支持された馬で馬券になったのは20年近く前のシンボリクリスエスとダンツフレーム。

2000年以降の日本ダービーで乗り替わりで馬券になった14頭の内、3番人気以内に支持されて馬券圏内に来た馬は2頭しかいないことになる。

馬券になった14頭中12頭が4番人気以下の気楽な立場での激走。

競馬の祭典で上位人気に支持されるような馬への乗り替わりは騎手にもプレッシャーになっているのかもしれない。

blogmura

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コメント一覧
  1. むらさき より:

    2010のローズキングダムは小牧騎手の騎乗停止が理由だと記憶していました。
    一週前の急遽の乗り替わりだったような。

    • グイグイ より:

      むらさきさん
      情報ありがとうございます。
      1週間前に騎乗停止になっていたんですね。
      当時の自分も知っていたはずなんですが、騎乗変更に全く違和感がなかったので、普通に小牧コノヤロと乗り替ったのだと記憶が改変されてました(・ε・;)

      記事修正しました。

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